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本稿ではさらに、真言・法相の2宗派を除外した、残りの全ての宗派の寺院数についても、統計
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処理を行い分析する。法相宗は、平安仏教以前の仏教の宗派であり、また、わが国においては、
真言宗以外の仏教の宗派(平安時代成立以降の鎌倉仏教)は、少なくとも部分的には、思想は天
台系の系譜の流れを汲んでいる。これらの寺院数と残りの系列、とりわけ天台宗寺院数(のみ)と
比較することには意義があると考える。そこで、この系列のデータについても統計処理を行い郡区
(市)間格差等、分析することにした。
ここまで、なぜ寺院数についてこれらの統計を用いるのか、その理由について述べた。次に、京
都府統計書記載のデータが正確かどうかという問題がある。次にこれについて述べる。
統計書には、寺院数の統計がいかなる目的で作成されたか記載されていない。しかし、以下の2
点から、明治政府が、少なくとも建前の上では正確な寺院数を把握していたと判
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